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「ツボ」とは一体何なのか?

ツボとは何なのか?
東洋医学の言葉によれば、ツボは、「体の中を流れる気の出入り口」であり、「臓腑や経絡の異常の診断点でもあり治療点でもある」といわれています。
 
つまり、ツボとは、体の不調を把握するための診断ポイントであり、それを改善するための治療ポイントでもあります。

もう少し具体的に説明すると、ツボには筋肉や内臓の不調が皮膚の変化として反映されます。筋肉や内臓に不調や機能低下があると、その部位に関連のあるツボが反応をしめします。鍼灸治療では、そこに鍼や灸をして、そのツボの反応がなくなるように治療していきます。
 
ツボの反応というのは、主にツボ部分の皮膚の状態のことです。ツボの反応には大きく2種類あります。
①皮膚が盛り上がっていたり触ると硬かったりする
②皮膚の表面が軟弱になっていたりへこんでいたりする
 
鍼灸師はこの硬結やへこみを、患者さんの体に指で触れたり押したりして感じ取ります。そしてこういった反応のあるツボの中でも、押すと痛い圧痛点というのを特に重視して、そこに治療が行われます。
 
(体表の反応と圧痛の図解)
 
基本的に、反応のあるツボの皮下には、硬結という組織が密になって異常に硬くなっているポイントがあります。ここに鍼の先端をあてて硬結がゆるんでなくなるように鍼や灸をしていきます。
 
(硬結の図)
 
すると、圧痛や皮膚の反応がなくなります。ツボの反応が無くなったり緩和されれば、そのツボへの刺激がうまくいったという指標になります。

反応というのは、主にそのツボのあたりで局所的に血行不良が起きて見られるものです。硬結、圧痛、ふくらみ、へこみ、皮膚が軟弱になる、皮膚がつっぱっているなどさまざまな反応がみられます。これは5mm~2cmほどの、とても小さい範囲で皮膚にツボの反応が起こります。
 
さまざまなツボの反応
硬結(こうけつ)…筋肉を押さえた時になんだか硬く触れるもので、大きさはさまざまあります。小さいものだとタピオカのような弾力のある硬いものもあります。(これは感覚を研ぎ澄ませると分かりますが、普通の人にはわかりづらいです)
圧痛(あっつう)…指で押されたときに痛みや不快感があるものです。思わず「うおっ」とか「あ゛-」と声が出たり体をよじってしまうことが多いです。
ふくらみ…皮膚表面を見た時に、なんとなく盛り上がっているところです。皮膚がつっぱっていることが多いです。
へこみ…皮膚表面を見た時に、なんとなくへこんでいるところです。皮膚にハリ感がなく、たるんで軟弱な様子です。
 
筋肉のコリや痛みの場合は、筋肉への負荷から筋細胞の局所的な傷害(ごく小さい)が起き、血行不良が起こります。これは硬結として反応が表れることが多いです。この硬結に刺激を加えて血流をよくすると、筋肉全体の血流が良くなります。
 
内臓に不調がある場合も、体表にあるツボに反応が表れます。これは神経を介した反射(内臓―体性反射※)だと考えられています。この反応があるツボに治療をすることによって、自律神経を介して内臓にはたらきかけることが出来るのです。(詳しくは『内臓にはたらきかけるメカニズム』をご覧ください)
 
※内臓ー体性反射とは
内臓―体性反射とは、内臓で起きた炎症や機能低下が、神経を介して筋肉や皮膚にも変化を及ぼすという神経の反射のことを言います。
たとえば、よくみられるものとしては、肝臓に障害があると右の肋骨あたりや背中が張ったようになり、膵臓が炎症を起こせば左の背中が凝って痛くなったりします。内臓の上(表層)にある筋肉に、内臓の不調の情報が神経の伝達によって伝わり、筋肉が緊張して硬くなったり凝ったりするという反射です。これらは医療現場でも診断材料になります。
上記のような場合は、反応が表れるエリアが大きく、また内臓と反応の出るエリアが近いので比較的わかりやすい反応です。しかしツボのようにごく小さいエリアに反応が出たり、内臓から遠いところの手足のツボに反応が表れることについては、まだ完全にメカニズムは解明されていません。

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