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鍼鎮痛のメカニズム

鍼鎮痛とは?

鍼鎮痛とは、痛みが脳に伝わるルートを途中でブロックし、体の痛み感覚を鈍らせる治療方法です。
これは、痛みがかなりひどい場合や、なかなか改善しない慢性的な痛みに使われることが多く、一時的に痛みを感じにくくさせる対症療法的な治療法です。
効果の持続時間は、数時間~数日で、人によっても変わってきます。

鍼鎮痛の方法

鍼によって鎮痛効果を引き出すためには、刺激の種類に条件があります。
手足や患部周辺に鍼を打ち、周波数10~  Hzで15~20分以上電気を流します。
一定の間隔と強度で、持続した刺激が必要になります。
(電気刺激を使わず手技だけで鍼鎮痛の効果を引き出すこともできますが、パルス鍼を使った方が確実性は高いとされています)

鍼鎮痛のメカニズム

通常、痛みというのは、痛み情報を伝える神経の興奮が脳まで伝わって、そこではじめて「痛みの感覚」が起こります。
 
(図解)
 
 
鍼鎮痛の効果を引き出すには、一定の強度と間隔で持続的に刺激を加えます。
すると、脳の下垂体というところでβエンドルフィンという化学物質が分泌され、視床下部に作用して、痛み情報を途中でブロックする神経ネットワーク(下行性痛覚抑制系という)を発動させます。
この下行性痛覚抑制系の神経が脊髄で作用して、脊髄に入ってくる痛み情報をブロックします。
 
(図解)
 
 
脊髄でどのように痛み情報がブロックされているのか?
 
通常、痛み情報が入ってきて、痛み情報を伝える神経が興奮すると、脊髄のところで、その末端から化学物質(グルタミン酸など)が分泌されます。
すると、2番目の神経にある受容体が、1つ前の神経から分泌された化学物質に反応して2番目の神経が興奮します。そして、脳にまで痛み情報が伝わります。
 
(痛みが伝わる場合のシナプス伝達の図)
 
しかし、痛み情報をブロックする神経がはたらくと、1番目の神経とは別の化学物質(セロトニンなど)が分泌されます。
すると、この化学物質が2つ目の神経に作用して、2つ目の神経が1番目の神経から出る化学物質に反応しなくなります。
その結果、1番目の神経が興奮しても、2番目の神経が興奮しないので、痛み情報が脳に伝わらなくなります。
 
(痛みをブロックする場合のシナプス伝達の図)

鍼鎮痛のメカニズムまとめ

①鍼鎮痛は、ある一定の間隔・強度の持続的な刺激を加えることによって引き起こされる。
②βエンドルフィンが脳内で分泌されることによって、痛み刺激を脊髄のところでブロックする神経ネットワーク(下行性痛覚抑制系)が作動する。
③痛み刺激が脊髄に入ってきても、その情報はブロックされるので、脳には伝わらない。したがって、痛みの感覚が起こりにくくなる。

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