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私にも鍼灸は効く? ―人によって効く効かないがある理由―

鍼灸治療を受けたことがない方であれば、鍼灸治療が自分に効くのかどうか不安に感じるのではないでしょうか?周りの人で、「自分には効かなかった」「自分には合わなかった」ということを聞いたこともあるでしょう。
 
実は、鍼灸治療は、人によって効く効かない(合う合わない)があるわけではありません。
「鍼灸が効かなかった(合わなかった)」と言っている場合は、次のような事情があるのです。
 
①その先生の治療レベルが、受け手の症状を治せるだけのレベルでなかった
②受け手が1回の治療で効果を判断してしまった
③よっぽど治療が痛かったか不快だった

①その先生の治療レベルが、受け手の症状を治せるだけのレベルでなかった

「鍼灸治療はどこで受けてもある程度同じだけの効果がある」と思われていることが多いのですが、実際は治療者の知識・技術レベルによって効果の精度にかなりの差が出てきます。特に、長年の慢性の症状や、治療が難しい症状・疾患であればあるほど、高い治療技術が求められます。(症状が軽いものであれば、比較的どこに行っても効果はあります。)
 
(症状のレベルと治せる先生のレベル、相関図)
 
そのため、「鍼灸が」効果がなかったのではなく、「その先生の鍼灸治療が」効果がなかったということになります。
 
これはマッサージや整体とも似ています。運がよければ一回で良い先生にめぐり会えます。しかしなかなか治らない症状の場合、納得のいく治療院にたどり着くには運と労力が必要になることが多いようです。

②受け手が1回の治療で効果を判断してしまった

この場合は、先生の治療レベルがよくなかったというよりは、与える刺激量の問題です。
治療には、1日のうちでその人に与えられる刺激量に上限があります。
この刺激量のキャパを超えて刺激を与えてしまうと、しんどくなったり具合が悪くなったり熱が出たりしてしまいます。(刺激量について詳しくはこちら)
 
したがって、鍼灸師は、初めて治療する患者さんには、少し物足りないかなくらいの刺激量で治療を行うのが定石です。もし刺激過多になって、患者さんがあとで具合が悪くなってしまっては元も子もないからです。患者さんも家に帰ってから具合が悪くなったら、気分も悪いし相談もしづらいでしょう。
2回目の治療の際に、前回の治療後はどうだったか様子を聞いて、十分に効いていなかったようであれば、刺激の量を調節して効果が出るようにしています。
 
特に、全身治療を継続する必要がある症状の場合は、治療を繰り返すことで効果が出てくるので、1回では効果を判断することは出来ません。
 
逆に、肩こりや腰痛などの筋肉の症状が、3回治療を受けても少しも楽にならなかったのであれば、もう1度行ってその旨を伝えるか、別の治療院に行くのが良いでしょう。

③よっぽど治療が痛かったか不快だった

これは、鍼灸師の技術レベルの問題です。
基本的に鍼灸治療では、副交感神経を適度に興奮させて、体をリラックスさせて病気が治りやすい状態にもっていく必要があります。
もし、よっぽど強い痛みや不快感があったのならば、交感神経が興奮してしまいますから、治療にとってもあまり良くありません。
 
また、治療を受けている最中に、「痛いです」など訴えても強引に治療を進めていくようであれば、あまり患者さんの話を聞かないような雰囲気なので、治療院を変えるのが良いでしょう。
そもそも上手な鍼灸師であれば、治療中にそんなに嫌がるほどの痛みや不快感を引き起こしたりはしません。
 
 
基本的に、鍼灸治療は人によって効く効かないがあるものではありません。
難しい症状や慢性のものになればなるほど、治療レベルが物を言います。
鍼灸治療を受けるときは、やみくもに治療院に行くのではなく、ある程度情報収集してから選ぶのが賢明でしょう。

④もともとその人が一般の人に比べて神経過敏で痛みに弱い体質だった

もともと神経過敏で痛みに対して感受性が高い人も、一定数いるようです。また、鍼灸治療を受けたことがない人も、治療への不安から感受性が高くなる傾向があります。
(かくいう私も、かなりの痛がり体質で最初はヒヤヒヤでしたが、治療をうけるうちに少しずつ慣れてきました。)
 
このような痛みに敏感な場合は、少しの刺激でも過敏に反応するので、かなり刺激量を抑えて治療をする必要があります。
したがって、治療としては、少ない治療ポイントで施術するやり方や、接触鍼や深く刺さないやり方がベストです。
 
神経過敏で痛みに弱い人は、1回でも痛みを感じたら恐怖心が強く出てくるので、もう一度治療を受けようとは思わないでしょう。
痛みに弱い体質だという自覚がある人は、経絡治療や、ソフト刺激を謳っている治療院を探すのが良いでしょう。

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