top-ad

広告が入る

鍼灸治療の分類② -現代医学的な鍼灸治療ってどんなもの?-

ここでは、現代医学的な鍼灸治療がどんなものかを説明します。
目次
  • 現代医学的な鍼灸治療の特徴
    1.1 現代の医学理論をベースに診断・治療をする
    1.2 筋肉・関節・神経系の症状・疾患が治療対象
    1.3 痛みや症状を取り除いたり和らげたりすることができる
    1.4 診断の方法は現代医学的
    1.5 患部周辺に治療をする局所治療がほとんど
    1.6 鍼灸整骨院でよく行われている
    1.7 鍼の種類は置鍼かパルス鍼が多い
  • 現代医学的な鍼灸治療の流派や治療法
    2.1 トリガーポイント療法

現代医学的な鍼灸治療とは、その特徴

現代医学的な鍼灸治療とは、東洋医学の理論ではなく、現代の医学理論(解剖学・生理学・病理学・スポーツ医学など)に基づいて行われる治療のことです。
 
 このような特徴があります。

1. 現代の医学理論に基づいて診断・治療をする

 現代医学的な鍼灸治療では、解剖学・生理学・病理学などの現代医学の知識や理論に基づいて診断・治療をしていきます。
 具体的には、どの組織が(筋肉・靭帯・神経など)、どのようになっているから(血行不良、損傷、炎症、圧迫など)痛みや症状が出ているのかといった診断をして治療をします。
 
診断では、触診や徒手検査(※1)によって、痛みや症状の原因ポイントがどの組織のどこにあるのかを調べます。
そして治療は、原因ポイントの周辺で、硬結や血行不良などの反応のある箇所に治療をしていきます。
 東洋医学の知識や理論を使わないので、治療の説明が分かりやすいのが特徴です。
徒手検査とは…特定の筋肉のみにわざと負荷をかけて、痛みが出るかどうかを診る。普通何もなければ痛くならないが、負荷をかけて痛みが出れば、その筋肉が病巣ポイントだということ。関節・神経でも同様の検査法があるので、これらを使ってどの筋肉・靭帯・神経が原因で痛みが起きているのかを絞り込んでいく。

2. 治療対象は、筋肉・関節・神経系の症状・疾患

 現代医学的な鍼灸治療で対応できるものは、筋肉・関節・神経系の症状です。
 痛みや違和感、しびれなどの症状を取り除いたり緩和するのが狙い
 患部周辺に施術して、血行を良くして症状を緩和する

3. 治療の目的は、症状を取り除いたり緩和したりすること

治療の目的は、筋肉・関節・神経系の痛みや違和感、しびれなどの症状を取り除いたり緩和したりすることです。
 ケガやギックリ腰などの急性症状の場合は、鍼灸をすることで症状を緩和できるので、体が治るまでの期間を楽に過ごしやすくなります。
 肩こりや腰痛、神経痛など慢性的な症状の場合は、定期的に治療を受けることで、症状の悪化を防いだり抑えたりすることができます。
※必ずしも、すべての症状や疾患そのものを完治できる、というわけではありません。

4. 診断の仕方も現代医学的。徒手検査で原因ポイントを診断する

診断方法は現代医学的で、徒手検査という検査法を使って、原因がどの組織のどこにあるのかを調べます。
整形外科ではレントゲンで検査が出来ますが、医師以外はレントゲンを行うことが出来ません。そのため、原因であろう組織(筋肉、靭帯、神経など)にわざと軽い負荷をかけて、痛みが出るか出ないかという検査をして、原因ポイントを絞り込んでいきます。
 徒手検査とは…特定の筋肉のみにわざと負荷をかけて、痛みが出るかどうかを診る。普通何もなければ痛くならないが、負荷をかけて痛みが出れば、その筋肉が病巣ポイントだということ。関節・神経でも同様の検査法があるので、これらを使ってどの筋肉・靭帯・神経が原因で痛みが起きているのかを絞り込んでいく。

5. 患部周辺に治療をする

 どこが痛みや症状の原因ポイントかが分かったら、その患部周辺で反応のある所に鍼や灸をします(局所治療)。
大体は局所的に硬結や血行不良が起きているので、それを改善して症状を緩和したり取り除いたりします。

6. 鍼灸整骨院でよく行われている

 治療対象が、筋肉・関節・神経系なので、鍼灸整骨院でよく行われています。
鍼灸整骨院は、鍼灸治療以外にも、手技や機械による治療などいろいろな方法を使って治療していくので、鍼灸治療の時間は比較的短いです。そのため、局所治療のみの場合がほとんどのようです(中には東洋医学的な全身治療を取り入れている先生もいます)。

7. 鍼の打ち方は置鍼かパルス鍼が多い

 鍼のタイプにも色々あります。鍼灸整骨院では、置鍼とパルス鍼が多いようです。
 
置鍼…ツボに鍼を打って、5分~15分ほど置いておく方法。時間の長さで刺激の量を調節している。
 パルス鍼…ツボに鍼を打って、そのあと軽い電気を流して刺激を加える方法。
 筋肉を収縮させて血行の促進を図ったり、神経の興奮を抑えて痛みを感じにくくすることが目的。ただ鍼を打つだけよりも刺激の量が多いので、刺激に対する感受性が高い人はいきなりパルス鍼を受けない方が良い。
また、円皮鍼というシール状の鍼を貼っておくこともあります。

現代医学的な鍼灸治療の流派や治療法

現代医学的な鍼灸治療の中でも、流派や特別な治療法があります。(東洋医学的な鍼灸治療の流派の数に比べると流派や特定の治療法の数は少ない)

トリガーポイント治療

肩や腰をはじめ、原因が良く分からない筋肉の痛みに対して効果の高い治療法です。病院で検査をしても神経や関節などに異常がない場合の、筋肉や筋膜の微細な損傷によって起きている痛みに対してかなり有効な治療法です。(詳しくはこちら)

痛みを抑える治療

これは「鍼鎮痛」「鍼麻酔」といって、神経にはたらきかけて痛み感覚を起こりにくくする治療法です。単純に鍼を打つだけでも鎮痛効果はありますが、これは特別な方法で神経の異常興奮を抑えることで、さらに強固に痛みを感じにくくします。なかなか痛みが改善されない場合に行われます。

患部の領域を支配している神経の周囲に鍼をして、10分以上一定の感覚で電気を流します。すると、神経が痛みに反応しにくくなり、一時的に痛みが緩和されます。(鍼鎮痛のメカニズムについてはこちら)

効果の持続時間は人によって差がありますが、数時間~2日程度効果が見込めます。
これは対症療法的に使われる治療法なので、痛みを感知することは出来ないです。しかし痛みがひどいときに治療を受ければ、痛みが緩和されるので、日常生活の苦痛をかなり減らすことが出来ます。  

bottom-ad

広告が入る

left-ad

バナー広告をいれる