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「経絡」とは一体何なのか?その2

経絡の役割は何なのか?
経絡というものについて、先ほど3番目に挙げた説(神経系を介した体内ネットワーク系説)で解釈するならば、
経絡とは、「体性―自律神経反射などの神経の反射を利用して、体表から体内の臓器や体の別のエリアに作用することができる神経ネットワーク系」であるといえます。
なんだか小難しく言いましたが、簡単にいうと、神経の反射を介して、体表から体内の臓器に何かしらの作用をすることができるネットワークであるということです。
 
具体的に説明すると、経絡には名前がついているのですが、その名が、その経絡が作用しうる対象を示しています。
たとえば、「手の太陰肺経」という経絡は、体表から、体内にある肺の機能に作用することが出来るということです。「足の陽明胃経」は、体表から、体内にある胃の機能に作用することが出来ます。
そして、消化不良に対して治療する場合に、「足の陽明胃経」に属する足三里というツボをつかって治療をすることがあります。
 
(図)
 
これを現代的な言葉で言い換えると、体性―自律神経反射によって、体表からの刺激が感覚神経を通じて胃に行く自律神経に作用して、胃の消化活動を促していると言い換えることができます。
 
 
また、経絡には流注といって、ルートが存在します。
鍼灸治療では、この流注というルートを使って遠隔治療をすることが多々あります。
 
たとえば、肩こりに対して、「手の太陽小腸経」という経絡のルートを使って遠隔治療をする場合を考えてみます。
「手の太陽小腸経」という経絡の流注は、図のようになっています。
 
(図)
 
肩が痛ければ、普通は肩のあたりで凝っているポイントを探して、そこに鍼を打ちます。
遠隔治療の場合は、肘から下の腕の部分で、凝っているツボに鍼を打ちます。すると、肩に鍼をしていないのに肩こりが楽になるという現象がおこります。
 
これを現代的な言葉で言い換えると、腕からの刺激が神経を通じて肩に作用し、筋血流が改善されたということになります。(これは科学的にまだまだ解明されていませんが)
 
 
このように、経絡というのは、神経系を通じて、体表から体内の臓器や体の別のエリアに何かしらの作用をすることが出来る神経ネットワーク系だと解釈することが出来ます。
 
 
注意
「経絡とは何なのか?」については、科学的に結論が出ているものではなく、鍼灸師や研究者の間でも意見が分かれるものです。そのため、ここに書いていることが正解ということではなく、あくまで有力な一説という形で述べさせていただきます。
興味がある方は、ぜひインターネットで調べてみてください。

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