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なぜ自律神経失調症に鍼灸が効くのか?

東洋医学に基づいた鍼灸治療では、自律神経失調症だからといってなにか特別な治療法があるわけではありません。ほかの症状や病気と同様に、東洋医学の理論に基づいて診断して治療していきます。
 
では、その東洋医学に基づいた治療はなぜ自律神経失調症に効果があるのでしょうか?
東洋医学の言葉で言えば、それは「陰陽のバランスを整えて気血のめぐりやはたらきが良くなると、自然治癒力が高まるから」です。
うーん、なんだか理解できませんね。
 
そこでこのページでは、鍼灸治療によって体にどういうことが起きて自律神経失調症が治っていくのか?ということについて、現代医学の観点から説明していきます。
(自律神経失調症そのものについての説明はこちらをご覧ください)

自律神経失調症になると体でどんなことが起きているか?

自律神経失調症では、交感神経と副交感神経の緊張の度合いがおかしくなっています。
 
(グラフ)
 
交感神経が過剰に興奮したり、副交感神経の活動が弱かったりして、交感神経と副交感神経の緊張が適正な範囲から外れてしまっています。つまり、自律神経の働きがエラーを起こしているのです。
すると、①いろいろな症状が現れたり、②全身の血流が悪くなったりして悪循環に陥ります。
 
(モデル図)
 
①いろんな症状が出ると、その症状が新たなストレス源になるので、自律神経の乱れが治まりづらくなります。また、症状があると、寝付けなかったり消化吸収がうまくできなかったりして、体が十分休まりづらくなります。体が休まらなければ、体調も回復しづらいです。
②全身の血流が悪くなると、細胞が十分栄養されなくなって内臓の機能も落ちるので、休んだとしても体が回復しづらくなります。そして、体が回復しづらい状態が続くと、自律神経のエラーも治りにくくなります。
 
 
自律神経の働きのエラーをなくすにはどうしたらいいのか?
では自律神経の働きのエラーをなくすにはどうしたらよいのでしょうか?方法は2つです。
①ストレスを減らす
②体を回復しやすい状態にする
 
社会生活を送っていると、原因となっているストレス源をなくすことは難しいことかもしれません。しかしストレスが多いままだと自律神経の異常な反応が治まらないので、治りづらくなります。
体を回復しやすい状態にするというのは、
・規則正しい生活リズムを心がける
・栄養バランスを考えて食事をとる
・適度に運動する
などさまざまありますが、症状をかかえたまま自力でこれらをこなせるかというと、現実的に難しい部分もあります。
 
鍼灸治療では、自律神経に直接はたらきかけることで、一時的に症状を抑え、体を回復しやすい状態にすることで治療していきます。では具体的に見ていきましょう。

なぜ自律神経失調症に鍼灸は効くのか?

自律神経失調症の鍼灸治療では、体性―自律神経反射という、皮膚への刺激で自律神経が反応する反射を利用して治療しています。具体的には、治療するツボや鍼の打ち方などを使い分けることによって、交感神経と副交感神経を興奮させたり抑制させたりして、自律神経のはたらきをほど良い状態にしているのです。
 
たとえば、背中への刺激は交感神経を興奮させ、手足への刺激は副交感神経を興奮させる傾向があります。
東洋医学の理論に基づいて治療をすると、体幹部と手足にバランス良く鍼や灸をすることになります。これによって、交感神経と副交感神経のはたらきが適正なバランスになっていきます。
 
(図)
 
交感神経と副交感神経の興奮が、適正な範囲に収まれば、症状も緩和されます。全身の血流も良くなるので、体が回復しやすい状態になります。
 
しかし、自律神経の活動はエラーをおこしているので、これは一時的な効果になります。
そこで、複数回くりかえすことによって、適正な自律神経のバランスに体を慣れさせて、自律神経の興奮のエラーを正していきます。
 
治療を重ねていくと、交感神経と副交感神経の興奮が適正な範囲におさまる時間も増え、症状が現れにくくなります。全身の血流も良い状態が保たれるようになるので、体も回復しやすい状態になっていきます。
 
冒頭で述べたような、「陰陽のバランスを整えて気血の流れをスムーズになると、自然治癒力が高まる」というのは、現代の言葉に当てはめると、
交感神経と副交感神経のバランスを整えると(=陰陽のバランス)
全身の血流が良くなり、代謝や内臓の機能も良くなるので(=気血のめぐりやはたらき)
体が回復しやすい状態になる(=自然治癒力が高まる)
ということになります。

自律神経失調症から回復するために

自律神経失調症は、鍼灸治療だけしていたら治るというわけではありません。
なるべくストレスがかからないような生活を送ったり、意識的に休息をとるようにしたり、規則正しい生活リズムを心がけることが重要となってきます。
しかし、症状が出ていればなおさら、自力でこうした努力を続けるのはとても大変です。
鍼灸治療では症状を緩和することが出来るので、生活改善をする上でも大きなサポートになれるかと思います。
 
ただ、自律神経失調症の治療は、東洋医学の知識が必要になるので、すべての鍼灸院で受けられるわけではありません。
効果の精度も、鍼灸師の努力と治療センスと技術によって変わってくることが多いです。
したがって、勉強熱心な先生や、得意・専門にしている先生、実績のある先生を探すのが賢明です。

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