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なぜ東洋医学派の鍼灸師は少ないのか? ―実はとっても難しい東洋医学―

鍼灸治療と言えば東洋医学がイメージされますが、実はすべての鍼灸師が東洋医学に精通しているわけではありません。鍼灸師の中で、東洋医学派の割合は3~5割くらいです。というのも、治療に活かせるほど東洋医学を理解するのは結構難しいことだからです。
ここでは、東洋医学を習得するにはどれくらい難しいのかについて説明します。

東洋医学を十分理解するには、ハードな勉強量が必要

東洋医学の原点は紀元前~300年ごろにかかれた数冊の本(古典)の内容です。そもそもその時代は印刷技術がなく書き残せる文字数が少ないため、古典には本当に大事な要点しか書かれていません。そのため、東洋医学を十分に理解するには、その時代背景や当時の人の考え方から理解することから始まります。

また、そもそも「気」「陰陽」「五行」といった独特の概念を毛嫌いせず、それをあるがまま受け入れて咀嚼していくことが何より大切です。(実はここが一番難しく、「本当かよ?」とうさんくさいと感じて東洋医学を勉強する気にならない人が多いようです。)
 
現代ではありがたいことに、古典に書かれた内容をベースに、ある程度体系化された教科書が用意されています。もちろんそれだけでも治療は出来ますが、十分な理解は難しいです。結局、東洋医学を究めるためには、古典の現代語訳本や原典をいろいろ読み込んで理解していく作業が必要になります。これは、相当な探求心と熱意がないとできないので、東洋医学を理解するというのは実はハードルが高いのです。
もちろん、治療をするためには現代医学の知識も必要になります。

するどい感覚や細かい技術を身につける必要がある

東洋医学は大きな病気にならないことを重視している医学です。したがって、東洋医学が得意とする領域は、ある程度進行してから病気と判断されたものではなく、それよりも前段階の体の異変です。
(病がかなり進んで目に見える形にまでなってからのものでは現代医学の方が処置としてはすぐれている場合が多いが、その前段階の目に見えない、現代医学的検査で検知されないくらいの小さな体の異変には東洋医学が優れています)
 
東洋医学に基づいて治療を行うためには、小さな体の変化に着目して治療する必要があるので、脈やお腹、舌などをかなり詳細に見なくてはなりません。そのため、指先の感覚を研ぎ澄ませ、目で見て皮膚の小さな変化に気付けるようにする訓練が必要となります。
これは、カイロプラクティックやオステオパシー、整体でも同じことが言えるでしょう。
 
また、鍼をツボに打つときの精度も重要となります。だいたいの場合は、捉えるツボの範囲が広くてもある程度効果はあります(単純に筋肉をゆるませたい場合や、症状の程度が軽い場合など)。ただ、ミリ単位でツボを狙えると効果は高くなります。特に、慢性症状や治療が難しい症状・疾患の場合は、ミリ単位でツボを狙わないと効果を出せない場合が多いようです。そのため、ピンポイントで狙ったところに治療ができるように訓練が必要になります。
この、ピンポイントでツボを狙えるかどうかは、トリガーポイント治療でも必要な技術です。
 
こういった難しさは、他の治療法でも同じことが言えます。
東洋医学をはじめとした代替医療というのは、とても奥が深く、究めるには実はとても熱意と努力が必要になります。

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