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鍼灸治療の分類③ ―東洋医学的な鍼灸治療ってどんなもの?―
ここでは、東洋医学的な鍼灸治療について、どんなものなのか、どんな流派があるのかを紹介します。
東洋医学的な鍼灸治療とは、その特徴
東洋医学的な鍼灸治療とは、東洋医学の知識・理論に基づいて行われる治療のことです。
症状を改善するだけでなく、それが引き起こされた背景にも着目して治療していきます。
東洋医学的な鍼灸治療には、このような特徴があります。
症状を改善するだけでなく、それが引き起こされた背景にも着目して治療していきます。
東洋医学的な鍼灸治療には、このような特徴があります。
- 東洋医学の知識・理論に基づいて診断・治療をする
- 治療対象は、筋肉・関節・神経系の症状・疾患をはじめとした、さまざまな症状・疾患
- 治療の目的は、症状の改善と、それが引き起こされた背景となる体の状態を改善すること
- 診断の仕方は、東洋医学独自の診断方法を使う
- 全身治療で体の状態を整えてから、症状のある患部周辺に局所治療することが多い
- 鍼灸院でよく行われている
- 鍼の種類はさまざまあるが、置鍼や単刺が多い
- たくさんの流派がある
1. 東洋医学の知識・理論に基づいて診断・治療をする
東洋医学的な鍼灸治療では、主に東洋医学の理論を使って診断・治療を行います。
たとえば、
どこで(経絡・臓腑)、何が(気血水)どのようになっているから(虚実・滞り、寒熱)症状が出ているのか、ということを分析します。
そして、そのアンバランスを整えるために、陰陽論や五行論などがもとになった医学理論によって、治療するツボのあたりをつけて、反応のあるツボに治療をしていきます。
一般の人には全く馴染みのない理論なので、治療の説明が分かりづらいことがあります。
たとえば、
どこで(経絡・臓腑)、何が(気血水)どのようになっているから(虚実・滞り、寒熱)症状が出ているのか、ということを分析します。
そして、そのアンバランスを整えるために、陰陽論や五行論などがもとになった医学理論によって、治療するツボのあたりをつけて、反応のあるツボに治療をしていきます。
一般の人には全く馴染みのない理論なので、治療の説明が分かりづらいことがあります。
2. 治療対象は、筋肉・関節・神経系の症状・疾患をはじめ、さまざまな症状・疾患
治療で対応できる症状・疾患は、筋肉・関節・神経系のほかにも、さまざまなものがあります。
比較的多いのは、喘息、婦人科系の症状、泌尿器系の症状、アトピー性皮膚炎などです。(詳しくはこちら)
比較的多いのは、喘息、婦人科系の症状、泌尿器系の症状、アトピー性皮膚炎などです。(詳しくはこちら)
3. 治療の目的は、症状の改善と、それが引き起こされた背景となる体の状態を改善すること
治療の目的は、症状を改善するだけでなく、症状の出にくい体にすることです。
症状を緩和するための治療だけでなく、体全体の状態を整える治療をします。
ケガやギックリ腰などの急性症状の場合は、鍼灸をすることで症状を緩和できるので、体が治るまでの期間を楽に過ごしやすくなります。また、ギックリ腰が再発しやすい人であれば、再発しやすい体の状態になっているので、それに対しても治療をします。
慢性的な肩こり、腰痛、神経痛などの場合は、定期的に治療を受けることで、症状の悪化を防いだり抑えたりすることができます。また、どこに行ってもなかなか治らない肩こりなどは、単純に筋肉だけの問題ではなく内臓の不調から発生している場合が多いので、それを整える治療をします。
筋肉・関節・神経系以外の症状の場合は、体質改善を図って症状が出にくい体にしていきます。
体質改善をするには定期的に通う必要がありますが、技術のある先生の治療を受ければかなり改善が見込める症状は多いです。
症状を緩和するための治療だけでなく、体全体の状態を整える治療をします。
ケガやギックリ腰などの急性症状の場合は、鍼灸をすることで症状を緩和できるので、体が治るまでの期間を楽に過ごしやすくなります。また、ギックリ腰が再発しやすい人であれば、再発しやすい体の状態になっているので、それに対しても治療をします。
慢性的な肩こり、腰痛、神経痛などの場合は、定期的に治療を受けることで、症状の悪化を防いだり抑えたりすることができます。また、どこに行ってもなかなか治らない肩こりなどは、単純に筋肉だけの問題ではなく内臓の不調から発生している場合が多いので、それを整える治療をします。
筋肉・関節・神経系以外の症状の場合は、体質改善を図って症状が出にくい体にしていきます。
体質改善をするには定期的に通う必要がありますが、技術のある先生の治療を受ければかなり改善が見込める症状は多いです。
4. 診断の仕方は、東洋医学独自の診断方法を使う
診断方法はかなり独特で、脈・舌・お腹や背中、手足のツボなどを見たり触れたりして、どこで(経絡・臓腑)何が(気血水)どのようになっているか(虚実・滞り、寒熱)を調べます。そして、体全体のなかで、一番正常状態からかけ離れているところを見極めて、治療していきます。
例えば、舌でもその場所によってどの臓腑の反応が出るかが割り当てられていて、その部分の色や苔の具合で、その臓腑がどのような状態かを伺うことができます。
(舌の臓腑配当と状態の図、補足説明文、)
一般の人からすると、全く科学的ではない上に、何をしているのかさっぱり分からないので眉唾ものように見えますが、こういった方法で体のどこが一番アンバランスになっているかを知ることが出来ます。
(詳しくはこちら)
例えば、舌でもその場所によってどの臓腑の反応が出るかが割り当てられていて、その部分の色や苔の具合で、その臓腑がどのような状態かを伺うことができます。
(舌の臓腑配当と状態の図、補足説明文、)
一般の人からすると、全く科学的ではない上に、何をしているのかさっぱり分からないので眉唾ものように見えますが、こういった方法で体のどこが一番アンバランスになっているかを知ることが出来ます。
(詳しくはこちら)
5. 全身治療で体の状態を整えてから、症状のある患部周辺に局所治療することが多い
症状の原因ポイントがどの経絡・臓腑かが分かったら、そこにアプローチできるツボの中から、反応のあるツボに鍼や灸をします。また、体全体を整えるために調整するツボにも治療していきます。(全身治療)。治療するポイントは、お腹、背中、手足が多いです。
体全体の状態が整ったら、症状に対して治療するために、患部周辺に治療をしていきます。(局所治療)
体全体の状態が整ったら、症状に対して治療するために、患部周辺に治療をしていきます。(局所治療)
6. 鍼灸院でよく行われている
東洋医学的な鍼灸治療は、鍼灸院でよく行われています。
また、個人で治療を行う先生が多いです。というのも、東洋医学の理論を使って治療するには、指先の感覚など個人の技術が何より重要なので、大きく経営する意味があまりないからです。また、東洋医学派の先生は、知的好奇心が旺盛で職人気質な人が多いです(一匹狼タイプが多いようです)。
鍼灸のみで治療を行う場合が多いです。治療時間も1時間程度のことが多いので、じっくり丁寧に体を診てもらいたい人におすすめです。
また、個人で治療を行う先生が多いです。というのも、東洋医学の理論を使って治療するには、指先の感覚など個人の技術が何より重要なので、大きく経営する意味があまりないからです。また、東洋医学派の先生は、知的好奇心が旺盛で職人気質な人が多いです(一匹狼タイプが多いようです)。
鍼灸のみで治療を行う場合が多いです。治療時間も1時間程度のことが多いので、じっくり丁寧に体を診てもらいたい人におすすめです。
7. 鍼の種類や打ち方はさまざまあるが、置鍼や単刺が多い
治療に使う鍼のタイプは、症状や先生によってさまざまです。
良くあるのは、細い鍼を使っての置鍼や単刺です。
電気を流すパルス鍼はほとんど使われません。
良くあるのは、細い鍼を使っての置鍼や単刺です。
置鍼…ツボに鍼を打って、5分~15分ほど置いておく方法。時間の長さで刺激の量を調節している。
単刺…1ヶ所ずつ順番に鍼を打っていく方法。1ヶ所打ったら抜いて、次のツボを打って抜いて、の繰り返し。
また、普通の「刺す鍼」ではなく、刺さない「接触鍼」をすることもあります。これは、「てい鍼」という金属の細い棒を使って皮膚に軽く撫で当てます。単刺…1ヶ所ずつ順番に鍼を打っていく方法。1ヶ所打ったら抜いて、次のツボを打って抜いて、の繰り返し。
電気を流すパルス鍼はほとんど使われません。
8. 東洋医学的な鍼灸治療にはたくさんの流派がある
東洋医学的な鍼灸治療には、色々な流派や治療法があります。(下記参照)
東洋医学的な鍼灸治療のいろいろな流派
東洋医学的な鍼灸治療には、たくさんの流派や治療法があります。
古典派
古典派とは、東洋医学のさまざまな理論・知識に基づいて治療を行う鍼灸師のことを指します。また、東洋医学派の総称でもあります。一つの治療法や流派にこだわらず、さまざまな治療の引き出しを持っているため、柔軟に対応することができます。(古典派について詳しくはこちら)
経絡治療
経絡治療とは、東洋医学を研究しつくした柳谷素霊氏によって体系づけられた治療法です。刺激の仕方がかなりソフトで、鍼を当てるだけだったり刺してもごくわずかだったりすることがほとんどです。痛みや刺激に敏感な人におすすめの治療法です。(経絡治療について詳しくはこちら)
太極療法(澤田流)
太極療法(澤田流)とは、東洋医学を研究しつくした澤田健氏が行っていた治療法が、語り継がれて世に広まった治療法です。お灸を使うことが多いため、刺激に敏感な人や虚弱体質の人におすすめです。(太極療法について詳しくはこちら)
積聚治療
積聚治療(しゃくじゅちりょう)とは、東洋医学に精通している小林詔司氏によって体系づけられた治療法です。気の不足によって生じる体の冷えを取り除いて治療していきます。比較的刺激がソフトなので、刺激に敏感な体質の人にもおすすめです。(積聚治療について詳しくはこちら)
長野式治療
長野式治療とは、西洋医学と東洋医学を研究しつくした長野潔氏によって体系づけられた治療法です。東洋医学の概念や理論を現代医学の知識に照らし合わせて解釈したもので、多くの鍼灸師が治療の参考にしています。(長野式治療について詳しくはこちら)
小児鍼、小児はり
小児鍼とは、0~12歳くらいまでの子どもを対象にした治療法です。夜泣きや喘息、アトピーなどさまざまな体の症状・悩みに対応することができます。大人の治療のように、鍼を刺したりすることはなく、金属の棒を皮膚に軽くタッチさせて治療していきます。お子さんの症状や発育に悩むお母さんにはかなり有効です。(小児鍼について詳しくはこちら)
中医学派
中医学派とは、東洋医学の中でも特に中国での医学理論に基づいて治療を行う鍼灸師のことを指します。診断理論が細かく、体の状態を詳細に分析していきます。中国の鍼といえば、太めの鍼を使うことが多いです。しかし最近は、診断は中国の医学理論を使って分析し、日本製の細い鍼を使って治療を行うところも多いです。(中医学派について詳しくはこちら)
北辰会
北辰会とは、主に中国の医学理論に基づいて診断し、理論的に体の状態を分析していくことに主眼をおいた流派です。丁寧な問診と、治療ポイントがとても少ないことが特徴です。そのため、刺激に敏感な体質の人にもおすすめです。(北辰会方式について詳しくはこちら)
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